TOKYO CURIOSITY

ヴィム・ヴェンダース『東京画』についての覚え書き

ヴィム・ヴェンダース
『東京画』についての覚え書き

ヴィム・ヴェンダースは、映画『東京画』の中で、小津安二郎の作品について以下のように語り、残っているのか、いないのか定かではない、小津作品の痕跡を探しに東京を訪れた。1983年春のことである。

「20世紀の映画の聖地があるとしたら、小津安二郎の作品こそがそれに相応しい。
小津の作品は、東京を舞台に40年間に亘り、日本の生活の変貌を記録したものである。描かれたのは、日本の家庭の緩慢な崩壊とアイデンティティーの崩壊である。進歩や西欧文化の影響への批判や軽蔑によってではなく、少し距離をおいて、失われたものを懐かしみ、悼みながら、それらは物語られていく。
だから小津の作品は国境を超えて、理解されていく。私は、彼の映画に世界中のすべての家族を見る。私の父を、母を、私自身を見る。
小津の映像は20世紀の人間の真実を伝える。」

私たちは、ヴェンダースの作法にならって、21世紀の「シブヤ」に彷徨い込んでみる。写真は、21世紀の人間の真実を伝えることができるだろうか?